理事長ご挨拶
一般社団法人日本臨床薬理学会 理事長
下田 和孝
(獨協医科大学精神神経医学講座 教授)
一般社団法人 日本臨床薬理学会・理事長就任にあたって
獨協医科大学精神神経医学講座 下田和孝
2018年11月25日の理事会にて、一般社団法人 日本臨床薬理学会・理事長を拝命いたしました。
日本臨床薬理学会の会員の皆様と学会の発展のために働けることを光栄に存じますとともに、その重責に身の引き締まる思いでございます。
基礎実験による薬理学的知識はヒトでたしかめられた上で臨床に応用すべきであるとの立場に立ち、科学的基盤に立脚する薬物治療学を目指し、また、新薬の臨床評価の重要性を認識して、本学会の前身である「臨床薬理学研究会」(初代会長・砂原茂一先生)が 1969 年に設立されました。 1980 年には「臨床薬理学 研究会」を発展的に解消し、日本臨床薬理学会が設立(初代理事長・木村栄一先生)、 2001 年に日本医学会に加盟し日本医学会分科会となり、さらに 2009 年の一般社団法人化を経て、現在では会員数が約 2700 名の組織に発展しています。
この間に、薬物による治療の多様化、またそれを支える新薬開発の状況は劇的に変化してきました。画像化ディバイスの進化やゲノム薬理学の発展によりオーダーメイド薬物治療も遠い未来のことではなくなってきていると言えます。また、医薬品開発においては国際共同治験への我が国の貢献が期待されているところです。こういった国内外の急速な情勢変化・進歩とともに、日本臨床薬理学会に対する社会的要請、期待はますます大きくなっています。
「臨床薬理学研究会」設立当時の「科学的基盤に立脚する薬物治療学を目指し、また、新薬の臨床評価の重要性を認識する」との趣旨を堅持しつつ、学会自身も国内外の急速な変化に対応し、社会的責任を果たす必要があります。公益社団法人・日本薬理学会をはじめとする他学会や行政当局との連携強化、人材育成、学会地方会の活性化、薬物治療や新薬開発に関する情報発信、学会のさらなる国際化など、取り組むべき課題は数多くあります。それらの課題に取り組むことによって最善の薬物治療の提供することを支える学問体系の構築を目指したいと思います。
会員の皆様には、ご指導、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
平成30年11月吉日
一般社団法人日本臨床薬理学会
理事長 下田和孝
(獨協医科大学 精神神経医学講座 主任教授)