市民のための薬と病気のお話
本態性高血圧について
本態性高血圧を詳しく
高血圧患者の9割以上は本態性高血圧患者です。原因不明と言っても血圧上昇の理由は、遺伝要因が50%と環境要因が50%で、それぞれが影響して起こります。遺伝要因としては、中枢神経・自律神経系の因子、腎臓の因子、心臓・血管系の因子、内分泌系の因子が、環境要因としては、食塩の取りすぎ、お酒の飲み過ぎ、肥満、運動不足、たばこ、カリウム摂取不足、ストレスなどがあります。個々の患者で様々に各々の因子が絡み合い、心拍出量か血管抵抗を増加させ血圧上昇がもたらされます。
自覚症状は?
頭痛・肩こり・倦怠感などよく言われますが、無症状の人が多数です。頻度は人口の20~25%で、40歳代から患者数は増えて行きます。中年以降は定期的な血圧測定により、早期発見とその対策が必要です。
なぜ治療が必要か?
心臓血管系の疾病は様々な要因(危険因子)が重なって発病します。血圧を高いまましておくと、心臓血管病、脳卒中、腎臓病などに成り易く成り、寿命を短くするので、十分な降圧が必要です。降圧療法のほかに、コントロールが可能な喫煙・高コレステロール血症・糖尿病など併せて治療すると、一層治療効果が増します。
(回答者:野村憲和)